創業者CEOがうまく行かないのは何故か? – プロダクト指向CEOのパラドックス

シリコンバレー最強のベンチャーキャピタルリストの一人」と呼ばれるベン・ホロウィッツ氏の記事。プロダクトの発案者がそのまま起業し、創業者CEOとなった場合に起こる問題について。

組織の規模が500人になるぐらいまでは、経営をしつつ、プロダクトの細かいところまで管理・コントロールすることが可能で、プロダクトの競争力も維持出来る。ところが、それ以上の規模になってくると、プロダクトに関する全ての意思決定に関わることが難しくなり、中途半端な意思決定をしてしまったり、現場への過剰な介入として従業員から反発を受けるようになる。かと言って、そこで現場に権限を委譲してしまうと、プロダクトは徐々にそのフォーカスを失い、日和見的な凡庸でつまらないものへと変貌を遂げてしまう。

ホロウィッツ氏によれば、マイクロソフトのビル・ゲイツ、オラクルのラリー・エリソン、スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグのような著名な経営者たちは、大規模な会社を経営しつつも、プロダクトの意思決定から完全に手を引く事なく、以下のような、プロダクトに関する本質的な意思決定にのみに関わる事によって、このパラドックスを回避しているらしい。

  • ビジョンの方向性を維持する
    • ビジョンの全体を作る事はせず、その方向性をコントロールする。
  • 品質基準を維持する
  • プロダクトの統合を担当する
    • プロダクトラインに共通する部分についての意思決定。
  • メトリクスに現れない情報について考えさせる

現実にこのようなシフトを行うのは容易ではなく、そのために必要なプロセスは人それぞれであるが、一般的に役に立つであろうプラクティスとして以下のものが紹介されている。

  • 口頭やメールで伝えるのではなく、正式なドキュメントを書く
    • ビジョンを明確化しつつ、過剰な参画を避ける。
  • 正式な定例レビューを行う
    • レビューではビジョンとの整合性、デザイン品質、進捗等をチェックする。中途での方向性転換は避けること。
  • 正式な経路以外で現場のやり方に口出ししないこと
    • 状況を把握するために現場の人間とコミュニケーションを取るのは問題ないが、恣意的なディレクションのような介入は避ける事。